前回に引き続き、パート2をご覧くださりました福島県民の皆々様、そしてホームページを通じてご覧いただきました全国の皆々様に、改めてお礼申し上げます。
ご視聴、本当にありがとうございました。
パート2として、『なすびのギモン』が皆様の前に再びお目見えすることになった訳ですが、最終回を迎えた今更ながらも、率直な感想としますと、まず前回、こういった番組が始まること自体に驚きと共に少なからず戸惑いもあった中で、パート2が作成されることとなり、更に私自身の責任感が増すのだという緊張感も伴い、身の引き締まる思いでした。
でも、積み重ねた蓄積は決して無駄ではなく、実績として評価された上で、信頼を得られる様な情報発信ができたのかも知れないという自負と、続けることの重要性を見出せた充足感にも似た高揚感もあり、期待と不安の入り混じった複雑な心境でした。もちろん、前回からの心構えの一つとして、あくまでも仕事だけとしてこなしてはいけないとの強い信念と、真剣かつ真摯に取り組まねばならないということを、今一度自分に言い聞かせました。
そして、実際の撮影に臨んだ中で、前回を踏まえ、放射線に関する基礎的なことや除染の状況の振り返りだけで終わらせることなく、パート2では除染情報だけにとどまらず、食の安全安心を知るための一環として米の全量全袋検査の現場にお邪魔したり、より日常生活に根差した水や大気中の放射線量に対する素朴な疑問、個人線量計の使い方など、前回の10回では突き詰められなかったことに踏み込めたことは間違いないので、今の福島の実像に前回以上に歩み寄ることが出来たと思えております。
そんな中で最も感じたのは、ニーズの変化でした。この一年の間でも感じた部分ですので、震災以降の3年8か月を振り返れば、その多様性や必要とされる支援の形の変化に対する臨機応変さが喫緊の課題として求められているものと考えられます。
番組内容に関しましても、そういったニーズの変化を受けて多面的な捉え方を取り入れていった形になったものと感じております。
又、ニーズの変化と併せて感じられた現場の声の中には、前向きに取り組む方々の感覚の変化みたいなものもありました。
それは恐らく、この3年8か月を経た中からの変化なのだろうとも思えますし、ある意味、必要迫られての変化なのかも知れませんが、「小さいことしか出来なくてもとにかく自分に出来ることを続けていくしかない」、「元の生活や環境を取り戻す為に地道に取り組みを続けていきたい」と、熱い思いを語って下さる方と出会うことが叶いました。
そこには、大きな成果や結果に繋がったという訳ではなくとも、明るい兆しや何某かの手ごたえを感じている方が増えてきていて、そういった方々が少しずつ声を上げ、前に一歩ずつ踏み出しておられるのだという実感を得られました。
とは言え、今後は中間貯蔵施設の問題や、帰還を果たした、若しくはこれからの帰還を果たそうと考えておられる方々の、個人では抱えきれない不安や悩みにどういったケアが必要となってくるのか、そういった部分に注視しなければと思いますし、まだまだ問題が山積していることも否めません。
しかしながら、不安や悩みを解消させず、疑問を疑問として放置するのではなく、解決するために積極的なアプローチをすることが大事だったり、知識を得て現状を把握出来たからこそ取り組めることが実は沢山あるだという新たなる気付きもありました。
何より今回は「なすびちゃん、番組見てるよ!」とのお声を頂く機会が前回よりも多かったことが非常に嬉しかったですし、私の実感としてもそうですが、お目に掛かり寄せて頂けた声にも反映されている、「諦めないで続けてみること」を第一義に掲げて、今後も福島県民の皆さんとの交流をより一層深めながら、信頼を得られる情報発信源となれる様に最善を尽くして参ります。