この場をお借りしまして、ご覧くださりました福島県民の皆々様、そしてホームページを通じてご覧いただきました全国の皆々様に御礼申し上げます。
本当にありがとうございました。
今回、番組撮影を通じて得られた知識や情報、経験や体験は私にとりまして、この上なく貴重なモノとなりました。
普段、新聞やテレビ等で得られる情報には、やはり限界があります。現場に出向き、実際に体感して初めて認識できることも多く、まさに「百聞は一見に如かず」とはこのことだと思いました。
ほぼ基礎知識が無い状態から、震災以降に断片的に少しずつ得られた漠然とした知識が、ちゃんと整理されて、理解につながったことは、私にとってとても重要でした。
とは言え、容易に理解できる訳ではなく、聞き慣れない専門的な用語や分からない単位や値など難しいことは間違いなく、今でも様々なご意見があることも事実。
何より、学ばなくていけないことが、まだまだ沢山あるんだと、この10回の放送を通じて痛感しました。
そんな中で、私なりの率直な感想としますと、得られた具体的な除染や放射線等についての見識や知識は勿論重要視しつつも、実際に撮影の現場でお会い出来た方々との交流を思い返すと、こういった番組の必要性もそうですが、私が今の福島の現状を知ること、現地に出向き、現場の声に耳を傾け、触れ合うことが求められていると感じました。
撮影でお邪魔した市町村の除染担当の方からは「こういう番組をやって欲しかったんです」という声や、除染作業員の方からは「なすびさんに会えて、除染作業していて良かったよ」とおっしゃって頂けたこと、撮影に協力して下さった地域の方からは「応援してますから、これからも頑張って下さいね」との励ましのお言葉を掛けて頂けたことが、用語や数値などの知識よりも、私にとってはかけがえのない良い経験となりました。
更にはこの番組を通じて、私は福島県に対する新たな想いと決意も芽生えました。
正直、この番組に真剣に取り組もうと決めた時、ある種の覚悟を持ち、腹を括った部分がありました。賛否両論は当然で、むしろ誹謗中傷にさらされることも、罵詈雑言を浴びせられることも、頭をよぎりました。
それでも、誰かがやらなければならないことなのではないか?もしかしたらその誰かが私なのではないか?
福島で生まれ育ち、その故郷の復興と再生を願う想いが強いからこそ、引き寄せたご縁なのではないか?
私がこの身を投じ敢えて取り組むべき課題なのではないか?と。
そんな私の意気込みが、どう投影されていたかは、視聴者の皆様の判断に委ねることにはなりますが、生半可な気持ちでただ単なる仕事のひとつとしてこなしたつもりは決してなく、福島県の復興と再生の一助になると信じ、その切なる願いが、今後も良い方向に結実する事をも祈念しております。
最後に、現状を把握し事実を知ること。情報を広く発信し続けること。
番組は終わってしまっても、今後も私は、福島県民の皆さんの疑問や悩みに真摯に取り組み続けたいと考えております。
そして、これからも福島県民の皆さんに寄り添い、共に歩み続けることをモットーにし、前向きに応援し続けて参ります。