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茨城県高萩市のレポート

平成27年3月31日掲載

茨城県高萩市について

高萩市は、茨城県の北東部に位置する人口約3万人規模の市。東は太平洋に面し、西は阿武隈山系が連なる。また、その間には花貫川と関根川が流れ、肥沃な大地が豊かな農産物を育み、美しい景観をもつ渓谷が見られる。東京都から宮城県を結ぶJR常磐線・国道6号・常磐自動車道が市内を縦断しており、都内からは車で約100分の距離に位置し、県内外からのアクセスもよい。四季折々の豊かな自然が観光資源であり、多くの観光客が訪れる。春には、桜の名所である「さくら宇宙公園」や「花貫さくら公園」に毎年多くの観光客が訪れお花見を楽しむ。また、遠浅で白い砂浜が美しい「高萩海水浴場」は、県内でも人気の海水浴場として知られている。

除染実施計画に基づく除染措置完了
平成26年3月

切り立った海食崖に挟まれた2つの入り江を持つ景勝地、「高戸小浜海岸」は、「日本の渚百選」*に選定されており、磯遊びを楽しむ家族連れで毎夏にぎわいをみせる。紅葉シーズンは、花貫渓谷が人気の観光名所となり、「汐見滝吊り橋」から美しい紅葉を鑑賞できる。また、高萩市は、「改正日本輿地路程全図」を著した長久保赤水(ながくぼせきすい)生誕の地であり、400年以上の伝統を持つ「下君田のささら」等の郷土芸能が根付く、長い歴史と伝統が培われた地でもある。明治以降は、石炭産業を中心に経済の発展を遂げ、昭和29年に高萩町、松岡町、高岡村の2町1村と黒前村および櫛形村の一部が合併し高萩市が誕生した。
歴史と文化、そして豊かな自然が織りなす美しい景観に恵まれ、昨年平成26年に市制施行60年を迎えた高萩市に、市が取り組んだ除染の努力を聞いた。

* 日本の渚百選…「海の日」が国民の祝日として制定されたことを記念して、大日本水産会などで作る選定委員会が、平成8年に発表した100の渚。

市民の安全・安心を確保するために早急に対策チームを設置。
生活空間における汚染状況を迅速に把握し、除染を実施。

市は、東京電力福島第一原子力発電所の事故の約2週間後にあたる平成23年3月30日に、関係8課による高萩市放射線安全確保対策チームを設置した。当時、市役所も被災し、仮庁舎での業務を余儀なくされたが、市民の不安の声に応えることを優先し、対策に取り組んだ。対策チームは、まず早急に汚染状況を把握することを目的として、4月には主な公共施設33地点のモニタリングに着手し、その結果、急ぎ除染が必要であると判断した子どもの生活に関連する公共施設(保育園、幼稚園など)の部分除染を8月から順次開始した。また、同年8月に国が行った航空機モニタリングの調査結果および市による市内各地でのモニタリング結果等を踏まえ、同年12月に汚染状況重点調査地域として指定を受けた。その後、「高萩市除染実施計画」を平成24年4月に策定した。

放射性物質汚染対処特措法に基づく除染は、学校・保育園等19施設、公園・スポーツ施設39施設の除染を実施し、平成26年3月末までに完了させた。学校等の子どもの生活に関連する施設では、除染が完了したことを伝える掲示をすることなどにより、保護者との情報共有を行った。また、住宅等の民有地の除染については、放射線の測定器の貸出しや、市で作成した除染マニュアルや土のう袋の配布をするなどの支援を、さらに自力で除染作業が困難な要支援者世帯には、測定や除染作業を代行する支援を行った。
除染実施後の各施設における平均的な空間線量率は、平成27年2月時点で毎時0.15µSv**を下回っている。現在も定期的にモニタリングを継続し、結果を市のホームページや広報誌にて公表している。
**µSv…マイクロシーベルト

丁寧なリスクコミュニケーションで市民の声に応える。
子どもの健康維持と安全・安心の確保を最優先課題に。

震災後、市民から様々な不安の声が上がった。そこで市は、平成24年2月に放射線対策室を設置し、放射線対策専門官や放射線相談員、保健師および看護師を置き、市民の悩みや不安を相談できる体制を整え、丁寧なリスクコミュニケーションを行った。放射線対策専門官は、日本原子力学会に所属する茨城大学名誉教授が、また放射線相談員は市役所のOBが務め、件数が一番多かった平成24年には約4,600件の相談に応えた。市民から受けた相談はQ&Aにまとめて配布をし、情報の共有化にも努めた。
また、子どもの健康影響を懸念する声が多く寄せられたため、平成25年度に、市独自で甲状腺超音波検査費用の全額補助を実施した。対象は震災発生時に中学生以下だった子どもで、これまでに、希望した1,615人が受診した。さらに、放射線に対する正しい知識および甲状腺超音波検査についての理解を図るため、専門家による講演会を2回開催した。こうした市の丁寧な取り組みにより、子どもの健康影響に対する市民の不安も次第に軽減されていった。

この他、自家栽培された農作物等や給食食材の放射性物質の濃度測定を実施し、市民の食に関する不安解消にも取り組んできている。

地道な取り組みで風評被害を払拭し、食品の安全・安心をPR。
新たな特産品が地域農業の活性化を牽引。

海と山に囲まれ、関根川と花貫川の清流と肥沃な大地に恵まれた高萩市では、米をはじめ、野菜、果実と幅広い種類の農産物が生産される。観光シーズンには、市内外から訪れた人々が直売所等を利用し、高萩産の農産物を購入していた。しかしながら、震災以降、高萩産の農産物は放射性物質の検査結果が基準値を下回っているにも関わらず、販売量が減少するなどの影響があった。これを受け、JAの直売所で農産物を販売する前に放射性物質の測定が行えるよう、独自で購入した放射性物質測定機をJAに貸与した。また、放射性物質検査の結果が基準値以下である農産物に貼付する「安全米シール」や「検査済シール」を市で作成し、希望する生産者に交付する等、消費者がこれまで通り高萩産の農産物を安心して口にできるよう、地道な取り組みを続けている。市は、東京都銀座のアンテナショップ「茨城マルシェ」でのキャンペーンや各種イベントに積極的に出展し、首都圏や県内外に対しても、高萩産の農産物をPRする活動を広く行っている。

また、地域農業の活性化を推進するため、新たな特産品のブランド化にも取り組んでいる。例えば、「花貫フルーツほおずき」は、紅葉の名所でもある花貫エリアの山間地で生産される新たな特産品であり、震災後から市が注力しPR等の取り組みを始めた。一般的な食用ほおずきとは異なり、上品な香りと複雑な味わいがあり、かわいらしい造形をしている。繊細で希少な収穫物である「花貫フルーツほおずき」だが、さらに厳選した特秀品の打ち出しも行う予定であるという。また、平成14年に茨城県が育成したベニバナインゲン豆のオリジナル品種「常陸大黒」(ひたちおおぐろ)も、市の新たな特産品として人気を集めている。1粒あたりの重さが約2gと大粒で、黒大豆の3倍ものアントシアニンを含む栄養価の高い花豆である。「常陸大黒」は、和菓子だけではなくパンや洋菓子にも使われ、6次化商品として「常陸大黒」スイーツが数々生み出されている。市は、これらの新しい特産品の試食会を首都圏をはじめとした県内外で重ね、販売網を開拓、丁寧にブランド化していく考えでいる。

さらに、震災以降減少した交流人口の回復と、高萩産の安全・安心な食材および観光名所をPRするため、築240年となる県指定文化財「穂積家住宅(ほづみけじゅうたく)」を活用した、スイーツカフェ「高萩茶房」を平成23年に期間限定でオープン。パティシエ鎧塚俊彦さんプロデュースのもと、地元の製菓業の方々が協力して、地域の旬の食材を使いスイーツを提供していた。平成24年からは、紅葉シーズンである10月から11月の約2ヶ月間、常陸牛を提供するレストラン「萩の茶屋」として毎年継続的にオープンしている。紅葉に訪れた観光客がレストランを利用することで、高萩市での滞在時間を長くし、周遊観光を推進することが狙いだ。

高萩市の新しい特産品として注目される「花貫フルーツほおずき」。8月中旬から霜が降りるまでの10月いっぱいが収穫シーズン。

「花貫フルーツほおずき」や「常陸大黒」を使用したスイーツやパン等の6次化商品。清流の郷・花貫物産センターで購入できる。

穂積家は江戸時代から地域経済で大きな役割を担った豪農。
「穂積家住宅」は江戸時代中期の豪農住宅を知る上で重要な文化財である。

豊かな自然や伝統の祭りを積極的に観光資源として活用。
赤水生誕の地で不屈の精神で復興に挑む。

歴史と文化、そして海や山など豊かな自然を観光資源に、年間約30万人を超える観光客が訪れていた高萩市だが、震災のあった平成23年度の観光客は約18万人にまで落ち込んだ。この状況を受け、市は、観光客の回復を図るべく、夏の海水浴、秋の紅葉鑑賞にポイントを絞り、近県エリアをターゲットに、テレビCMや観光キャンペーンを行う等、誘客活動に取り組んできた。

高萩市の観光資源である豊かな自然は、四季折々の見所を観光客に提供する。春には、市内各所で美しい桜が見物できる。特に、毎年4月上旬から中旬にかけて開催される「高萩桜まつり」は、県内外から多くの見物客が集まる。メイン会場となる「さくら宇宙公園」は、昭和38年に日米間で初めてテレビ衛星中継が行われた記念すべき衛星通信所跡地で、直径32mのパラボラアンテナがシンボル的に残されている。そのパラボラアンテナをバックに、ソメイヨシノや八重桜など約200本、300mの桜並木を楽しむことができるお花見名所である。今年(平成27年)14回目の開催となる「高萩桜まつり」は、4月4日(土)から19日(日)までの期間開催され、4月11日(土)には、満開の桜の下、野点(茶会)や琴の演奏などが行われる。夏には、遠浅で白砂の輝く「高萩海水浴場」で、一日ゆっくりと海水浴が満喫できる。紅葉シーズンである秋には、花貫渓谷の汐見滝吊り橋からの景色が美しい。約60メートルの汐見滝吊り橋は、川沿いに生い茂る紅葉した木々の枝が左右からせり出し、華やかな錦のトンネルをくぐるように紅葉鑑賞が楽しめる。毎年11月に開催される紅葉まつりの期間中は、特産品や飲食物の臨時売店が設置され、多くの観光客でにぎわっている。

また、高萩市は、江戸時代の地理学者である長久保赤水生誕の地でもある。赤水は、安永8年(1779年)に、日本で初めて緯度を表す緯線(横線)と方位を表す方角線(縦線)を用いた日本地図「改正日本輿地路程全図」を著した人物である。赤水の日本地図は、初版刊行以降約一世紀にわたって版を重ね、吉田松陰が愛用し、シーボルトによって欧州に紹介されるなど、国内外で広く使われた。高萩市歴史民俗資料館には、市の歴史と文化を伝える資料とともに「改正日本輿地路程全図」の初版と第2版が展示されている。また、平成24年11月には、JR常磐線高萩駅西口に赤水の銅像が建立された。恵まれた境遇とはいえない中で勉学に励み、日本地図を完成させた赤水の銅像は、震災を乗り越える復興のシンボルとして、高萩駅前で乗降客を見守っている。

除染を終了した高萩市では、住民の安全・安心の確保に継続的に努めるとともに、赤水の不屈の精神で復興を進め、震災前のにぎわいを取り戻す努力を続けている。

透き通る青い海と白い砂浜が魅力の「高萩海水浴場」。常磐自動車道高萩ICから10分、JR常磐線高萩駅からも徒歩圏内とアクセスもよい。

春には新緑、秋には紅葉が楽しめる花貫渓谷の「汐見滝吊り橋」。遊歩道が整備されハイキングコースとしても最適。

桜まつりの会場となる「さくら宇宙公園」。現在公園内のパラボラアンテナは、茨城大学宇宙科学教育研究センターの電波望遠鏡として活用されている。

苦学を乗り越え日本地図を著した長久保赤水。80歳まで大日本史地理志編纂に専念し、その後故郷である高萩市赤浜に戻り隠居した。

高萩市 小田木 真代市長からのメッセージ

高萩市は、昨年市制60周年の節目を迎えました。記念式典や各種イベントを通して、市政のさらなる発展への決意を新たにしたところであります。4年前の東日本大震災により、被災した道路や公共施設等の復旧をはじめ、小中学校等の除染等は終了したものの、真の復興には至っておりません。真の復興は、震災以前より活力ある街とする事であり、市民が心の豊かさを実感できる事であると思っております。

そのような中、国においては昨年、地方創生関連法案が成立し、地方自らが考え、責任をもってまちづくりに取り組むことが重要となりました。まさに地域の力を示す時であり、高萩市では本年を創生元年と位置付けております。

この市町村レポートを通じて、高萩市の復興、歴史と文化、豊かな自然や特産品をお伝え出来ればと思っております。皆様の一層のご支援ご協力をお願い申し上げます。

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